開花した花の最も美しい瞬間を、少しでも長く楽しみたい。そんな夢のような願いを叶えてくれるのが、プリザーブドフラワーです。
近年、人気が高まりつつあるプリザーブドフラワーについて、まとめました。
プリザーブドフラワーとは、preserved flowers(保存した花)のことで、生花の美しさを長期間保つよう、特殊な方法で加工を施したお花のことです。
ちょっと長いネーミングなので、『プリザ』と呼ばれたりもします。
ブリザードフラワー(凍った花?)などと間違われることも多いですが、正しくはプリザーブドフラワーです。
○ プリザーブドフラワー
× ブリザーブドフラワー
× ブリザードフラワー
プリザーブドフラワーの特徴
生花のようなみずみずしい風合いと鮮やかな色合い
プリザーブドフラワーは、ドライフラワーと同じく、生花から加工されたお花ですが、その質感や色合いは全く異なります。
生花を乾燥させて作るドライフラワーが、乾いた質感や深みのある素朴な色合いを特徴としているのに対し、生花を特殊加工して作られるプリザーブドフラワーは、生花に近いみずみずしい質感や、色鮮やかな色合いを特徴としています。
ドライフラワーのバラ
プリザーブドフラワーのバラ
長期間、美しさを保ちます
みずみずしい生花のような美しさを長期間保つことは、プリザーブドフラワーの最大の魅力です。
一般的に、プリザーブドフラワーの鑑賞期間は2~3年と言われています。
プリザーブドフラワーは、生花のように、枯れることはありませんが、永久に保存できる訳ではありません。
埃や湿気、紫外線の影響などにより、徐々に劣化や退色が進みます。
飾る環境によって、一般的な鑑賞期間より早く劣化してしまうこともあれば、10年以上美しさを保つこともあります。
プリザーブドフラワーを飾る際のご注意事項につきましては、後日改めてご紹介させていただきます。
水遣りは不要です
生花と見間違うほどの美しさですが、水遣りは不要で枯れません。
むしろ、非常に水に弱いので、絶対にお水を遣らないでください。
ギフトとしてプリザーブドフラワーを贈る場合は、先方様へ一言お伝えいただくと安心です。
自然界に存在しない花色も楽しめます
生花を加工して作られるプリザーブドフラワーですが、元々の花色は一旦脱色された後、人工的に染色されています。
そのため、青いバラや虹色のバラなど、生花には存在しない花色も楽しむことができます。
雑菌の繁殖やアレルギーの心配が無く安心です
水遣りが不要のプリザーブドフラワーは、雑菌が繁殖しにくく、非常にクリーンなお花です。
そのため、お見舞いとして生花の持ち込みが禁止されている病院でも、プリザーブドフラワーなら許可される場合が多いようです。
また、プリザーブドフラワーは加工花のため、花粉の飛散が無く、花粉アレルギーの方にもお喜びいただけます。
高価な花ですが、コストパフォーマンスは良いです
プリザーブドフラワーと聞くと、高価な花というイメージがありますよね。
プリザーブド加工には、コストと手間がかかり、そのため生花と比べると、プリザーブドフラワーは確かに高いお花です。
生花と比較すると、同じボリュームで数倍の価格になりそうです。
ですが、生花は2週間程度で枯れてしまうことを考えると、プリザーブドフラワーのほうがお得ですね。
プリザーブドフラワーの製造工程
当店は、既にメーカーでプリザーブド加工された花材を仕入れてアレンジメントにしています。
プリザーブド加工は、非常に手間のかかる作業ですが、キットなどを用いて自分で加工することも可能です。
加工は、下記の4つの工程から成ります。
水揚げ
お花に元気が無いと、綺麗なプリザーブドフラワーに仕上がりません。
水切りなどを行い、葉や花びらにハリを持たせます。
花は、花びらが肉厚なもの、傷がないものを選びます。
脱水・脱色
お花を脱色液に漬けます。
脱色液は、エタノール・メタノールなどの、アルコールを主成分としています。
着色・保存
お花を着色液に漬けます。
人体に無害なオーガニック色素と、保湿効果のあるグリセリンなど不揮発性で、比較的安全性の高い有機溶剤でできています。
花が染色され、同時に花を長期保存できるようにします。
洗浄・乾燥
脱色液で洗浄し、形を整えて乾燥させます。