近年人気が高まりつつあるプリザーブドフラワーですが、その歴史はまだ浅く、現在も発展し続けている新しいタイプのお花です。
今回は、ヨーロッパで誕生し日本に普及されるまでの、プリザーブドフラワーの歴史と、それを支える主要4大メーカーについてご紹介いたします。
プリザーブドフラワーの歴史
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1987年
ブリュッセル大学(ベルギー)とベルリン大学(ドイツ)の共同研究開発により、プリザーブドの技術が完成
プリザーブドフラワーの発祥の地はヨーロッパなんですね。
共同研究開発には10年以上もの歳月を費やしたそうです。 -
1991年
フランスのヴェルモント社が「長寿命の切花製造技術」”Everlasting Flower Manufacturing”として世界特許を取得
プリザーブドフラワーメーカーの先駆け。
バラが美しいエクアドルに工場を設立し、プリザーブドフラワーの生産を開始します。 -
1993年
日本でプリザーブドフラワーが紹介される
この頃のプリザーブドフラワーは、今ほど花の種類が豊富ではなく、
また、非常に高価だったこともあり、一般に広がることはありませんでした。 -
1996年
ヴェルディッシモ社、フロールエバー社が工場を設立、プリザーブドフラワーの生産を開始
各メーカーが生産を競争することで、花のカラーバリエーションや、加工のクオリティーが向上していきます。
プリザーブドフラワーの生産拠点はエクアドル、コロンビア、ケニアなど、バラを安定して生産できる赤道直下の南米の国々に集中しました。 -
2002年
ドライフラワーの老舗の大地農園が国内初のプリザーブドローズを発表
日本人に好まれる優しい色合いの花々が作られるようになったこと、
生産の安定化による、コストダウンが成功したこと、などから、日本で飛躍的に一般の人々に広がります。
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その後も、プリザーブドフラワーを取り扱うメーカーが増え、ユーザーは色々なニーズに合わせて選択できるようになりました。
今日では、生産コストの削減に伴い、台湾・韓国・中国・ベトナムなど東アジアに工場を持つメーカーも増え、現代では世界各国で生産が行われており、パリ、ロンドン、日本などでまったく新しい花として注目を集めています。
プリザーブドフラワーのメーカー
プリザーブドフラワーブームの先駆けとなった、老舗4大メーカーをご紹介します。
ヴェルモント
・1991年生花の保存技術の世界特許を取得した、プリザーブドフラワーの先駆け的存在。
・ケニア産の花を使用。
・漂白を行わない特殊な加工により、色あせがしずらい。
・色付けには顔料を用い、マットな色合いが特徴。
・クリスチャン・トルチュをはじめとするフラワーデザイナーらによるレディメイド商品を「メゾン・エ・オブジェ」にて毎年発表。
・バラ以外に、ダリアも日本で初めて紹介したメーカー。
ヴェルデイッシモ
・エクアドル産のバラを使用。
・独自のブリーチ(脱色)技術により加工しており、鮮やかなカラーリングが特徴。
・プリザーブドフラワー供給量は、ヴェルディッシモ社が世界No1。
・日本人好みのパステルカラーが少なく、日本での供給量は少。
・バラのサイズバリエーションが豊富で、アレンジしやすい。
・バラ以外にも、リーフの種類も豊富。ヒマワリやカラーなども加工している。
フロールエバー
・コロンビア産のバラを使用
・厳選したバラを用いており、バラの巻きが美しく、生花に近い柔らかでみずみずしい風合い。
・ブライダルブーケやギフトを中心に、プリザーブドフラワーのトップブランドの地位を保つ。
・バラ以外の花の種類も豊富で、カーネーション、マム、カラーの他、シンビジウム、デンドロビウムなどの蘭類もバラエティーに富む。
・バラ、カーネーションの花色が豊富で、鮮やかなヴィヴィットや日本人好みのパステルカラー、ニュアンスのあるくすみ系の色など様々。
・年に1回、プリザーブドフラワーのコンテストを開催している。
大地農園
・国内初のプリザーブドフラワーメーカー
・海外から輸入した花を、国内で加工している
・日本人好みのパステルカラーなど、優しい色合いが充実している。
・バラ以外にも、デンファレ、ブルースター、アジサイ、カスミソウなど様々なプリザーブドフラワー製品を提供している。
・教室の教材にも使える手作りキットや、アレンジメントも展開している。